不正咬合による悪影響

不正咬合による悪影響

不正咬合の身体的影響

不正咬合(ふせいこうごう)は、個人差がありますが、一般的に以下のような身体的影響を及ぼすことがあります。

  • 咀嚼障害(噛むことに支障が出る)
  • 嚥下障害(飲み込むことが困難になる)
  • 発音障害
  • 顎の成長障害、顔の変形
  • 口腔内のトラブル(虫歯、歯肉炎など)

例えば、出っ歯の場合、前に出た歯が唇を閉じにくくし、口の中が乾燥しやすくなるため、歯周病や虫歯のリスクが高まります。受け口の場合、「サ行」や「タ行」の発音が難しくなる発音障害や、顎の成長障害により、顔の形が変わることがあります。開咬の場合、「サ行」「タ行」「ラ行」の発音がしにくくなり、特に英語の発音では大きな障害となることがあります。

また、不正咬合があると噛み合わせのズレが生じるため、顎関節症や頭痛、肩こり、腰痛、消化不良など、全身にわたる不調を引き起こす可能性があります。

不正咬合の心理的・外見的影響

歯並びが悪いことを本人が気にしていたり、他人から指摘されることでトラウマとなり、次のようなコンプレックスを抱えることがあります。

  • 「人前で笑顔を見せられない」
  • 「笑うときに口元を隠してしまう」
  • 「発音が悪くて話すのが苦痛に感じる」

日本臨床矯正歯科医会の調査では、「歯を見せて笑うことに抵抗を感じる」と答えた人が25.9%もおり、歯並びが心理的に与える影響は決して小さくないことがわかります。

また、同調査によると、歯並びが美しい人に対しては以下のような印象を持つという結果が出ています。

  • 「清潔感がある」78.7%
  • 「健康的」78.6%
  • 「上品」62.4%
  • 「育ちが良い」54.3%

つまり、歯並びが悪いと逆の印象を与えることになり、外見的なイメージにも影響を及ぼす可能性があります。特に歯並びを重視する欧米の方々と接する場合、大きなマイナスイメージとなることが考えられます。

アライン・テクノロジー・ジャパンが行った調査によると、日本に住む外国人100名中76%が「日本人は歯並びが悪い」と感じており、83%が「歯並びは笑顔の魅力に関わる」と答えています。

歯列矯正のデメリット

矯正装置の装着・大宮いしはた歯科

歯並びが悪いことは様々なリスクを伴います。重度の場合、矯正を検討する価値があるでしょう。しかし、軽度の場合、矯正治療のメリットがデメリットを上回るのか気になるところです。歯列矯正には費用や治療期間以外にも以下のようなデメリットがあります。

  • 外見的なデメリット:矯正装置が目立つ、一時的に歯並びが悪化するなど
  • 矯正装置による不快感:食べにくい、発音しにくい、食べ物が装置に詰まる、舌が傷つきやすい
  • 虫歯のリスク増加:矯正装置に食べ物が詰まりやすく、歯磨きが難しくなるため、虫歯のリスクが高まる
  • 顎の痛みや頭痛:歯を移動させるために力が加わり、顎や歯ぐきに痛みを感じたり、頭痛や肩こりが発生することがある

矯正治療を受けた患者さんの中には、治療後に全身の不調を訴える方もおり、「これほど辛いなら矯正なんてしなければよかった」と後悔するケースも報告されています。さらに、技術や経験が不足しているにもかかわらず、営利目的で矯正治療を提供する歯科医もいると言われています。

しかし、現在の矯正技術は大幅に進歩しており、目立たない方法や、治療期間を短縮できる方法、身体への負担が少ない方法が次々と開発されています。歯列矯正を検討する際は、これらのデメリットを理解した上で、経験と実績のあるクリニックを選ぶことが重要です。「近所だから」という理由だけで選ばず、複数のクリニックを訪れて納得のいく治療を受けるようにしましょう。

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