今回は、子どもの指しゃぶりが歯並びに与える影響について考えてみたいと思います。
指しゃぶりは、多くの子どもが幼少期に経験する行動ですが、実は胎内にいる時から始まる自然な行動です。赤ちゃんには吸てつ反射と呼ばれる本能的な行動があり、これが指しゃぶりにつながります。特に眠いときや寂しいときに、子どもは安心感を求めて指をしゃぶることが多いです。しかし、5歳を過ぎても指しゃぶりが続くと、歯並びや顎の発達に悪影響を与える可能性があります。
今回は、子どもの指しゃぶりが歯並びに与える影響について考えてみたいと思います。
指しゃぶりは、多くの子どもが幼少期に経験する行動ですが、実は胎内にいる時から始まる自然な行動です。赤ちゃんには吸てつ反射と呼ばれる本能的な行動があり、これが指しゃぶりにつながります。特に眠いときや寂しいときに、子どもは安心感を求めて指をしゃぶることが多いです。しかし、5歳を過ぎても指しゃぶりが続くと、歯並びや顎の発達に悪影響を与える可能性があります。
指しゃぶりによる具体的な影響として、前歯の噛み合わせが悪くなる「開咬」、前歯が突出する「出っ歯」、奥歯の噛み合わせがずれる「交叉咬合」などがあります。これらの問題は、食事中の噛み方や発音、呼吸にも影響を及ぼし、子どもの生活の質を低下させることがあります。特に口呼吸は、口臭や虫歯、さらには顔立ちの変化など、様々な健康問題を引き起こす原因となります。
指しゃぶりのやめどきは3歳から5歳ごろが理想とされています。この時期になると、社会性が芽生え、指しゃぶりを自然にやめる子どもも増えます。しかし、5歳を過ぎてもやめられない場合、大人の適切な働きかけが必要です。親ができることとしては、指しゃぶりをやめるように優しく伝えたり、他の興味を引く活動に誘導したりすることが挙げられます。
指しゃぶりが原因で歯並びに問題が生じた場合、早めに対処することが大切です。総乳歯(5歳程)の時期であれば、指しゃぶりをやめることで自然に改善されることもありますが、永久歯が生え始めた場合は、専門的な矯正治療が必要になることがあります。特に、口周りの筋肉を鍛える筋機能療法(MFT)は、指しゃぶりによる悪影響を緩和する効果が期待できます。
最も重要なのは、指しゃぶりをやめさせる際に、子どもを頭ごなしに叱るのではなく、優しくサポートしながら、成功を褒めることで自信をつけさせることです。もしも指しゃぶりが改善されない場合には、歯科医だけでなく小児科医、育児センターに相談することも考慮に入れてあげてください。