歯科治療で詰め物やかぶせ物をした後に、赤や青の紙を口の中に入れて「カチカチ噛んでください」と言われることがありますよね?これは何を診ているのでしょうか?
この赤や青の紙は、咬合紙(こうごうし)と呼ばれ、噛んだ歯の部分にカーボンのインクが付着することで、噛み合わせで接触している部分と接触していない部分を調べるために使用されます。
咬合紙は主に赤と青の2種類があり、用途に応じて使い分けられます。赤色の咬合紙は噛んだ状態での接触を、青色の咬合紙は左右でギリギリさせたときの状態を比較して、噛み合わせがズレている位置を特定します。
さらに、歯が湿っていても印記できる咬合紙や唇や指に色が付かない咬合紙、フィルム製で数回使いまわせる咬合紙、噛んだときの圧力によって色の濃淡が分かる咬合紙など、様々な種類が存在します。
咬合紙を使用する際の注意点として、咬合紙の厚さにも注目が必要です。咬合紙は10μmから100μmまでの厚さがあり、最初は厚い咬合紙で噛み合わせを調べ、次第に薄い咬合紙で調整することで精度の高い噛み合わせを確認できます。
また、患者さんの頭の位置や診療台の角度も噛み合わせに影響を与えます。頭を起こした状態や治療台を水平に倒した状態で噛むと、噛み合わせが変わります。さらに、ヘッドレストを倒したときに上を向いて噛む場合も注意が必要です。
咬合紙は、正確な噛み合わせの診断に欠かせないツールであり、歯科治療において重要な存在です。