インプラントが抜けてしまう!?インプラント周囲炎のリスクと対処法について

インプラントが抜けてしまう!?インプラント周囲炎のリスクと対処法について

インプラントは埋めて終わりではありません。インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病に似た「インプラント周囲炎」になる可能性があります。インプラントは顎の骨に埋め込まれるため、「インプラント周囲炎」という細菌感染が発生するリスクがあります。この病気はインプラントの寿命を短くする非常に厄介な問題で、天然歯の歯周病と似た症状を引き起こしますが、複数の点でより深刻で特に警戒が必要です。

今回は、インプラント周囲炎がなぜ歯周病よりも危険であるか、またその予防方法について詳しく説明します。

インプラント周囲炎とは

まず、インプラント周囲炎は、インプラントが埋め込まれている周囲の骨や歯茎が炎症を起こし、次第に破壊されていく病気です。この病気が進行すると、インプラントを支える骨が劣化し、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまいます。

インプラント周囲炎と歯周病の違い

インプラント周囲炎と歯周病は、どちらも歯周病細菌の感染によって引き起こされます。インプラントや天然歯周囲の清掃が不十分だと、歯垢が溜まり、その中で細菌が繁殖して炎症を引き起こします。ただし、インプラントと天然歯では、骨への埋まり方や歯茎との接合の仕方が異なるため、感染の進行の仕方や症状の現れ方が異なります。特にインプラント周囲炎の方が、病状が深刻化しやすいため、より注意が必要です。

インプラント周囲炎の増加傾向

インプラントの成功率は97%というデータがありますが、これは「インプラントが抜けずに顎の骨に残っている」場合を指しており、インプラント周囲炎にかかっていても数字に含まれます。実際、インプラントを受けた人の28%~56%がインプラント周囲炎を発症しているといわれていて、その数は年々増加しています。インプラント周囲炎にかからず、健康な状態を保つ「本当の成功率」は大幅に低くなるため、適切なアフターケアが不可欠です。

インプラント周囲炎が歯周病より危険な理由

まず、インプラントは天然歯に比べて歯茎との接合が弱いため、細菌が深部に感染しやすいという特徴があります。また、インプラント周囲炎は初期症状がほとんどなく、病状が進行しても自覚しにくいため、発見が遅れることが多いです。さらに、インプラントは天然歯にある歯根膜がないため、異常な力が骨に直接加わりやすく、感染が急速に進行するリスクがあります。

つまりインプラント周囲炎は歯周病に比べて、深い部分に感染しやすく、発見が遅れることが多く、感染のスピードが速い可能性がある為、定期的なメインテナンスが必要です。

インプラント周囲炎の予防法

インプラント治療の成功には、手術前からの適切な対策が重要です。まず、口内を清潔に保ち、歯周病治療を徹底しましょう。また、喫煙者は禁煙し、糖尿病患者は血糖コントロールを行うことが必要です。手術後も口内の清潔を保ち、医師の指示を守り、特に喫煙を避けることが大切です。

手術が落ち着いた後も、インプラント周囲の清潔を維持し、食生活に気を配ることが求められます。甘いものや柔らかいものの過剰摂取を避け、バランスの取れた食事を心掛けましょう。また、タバコや過度の飲酒を避け、歯ぎしりや食いしばりにも注意を払いましょう。糖尿病の予防や、定期的な歯科でのケアも欠かせません。特に何も異変を感じなくても、定期的な検診を受けることで、早期発見が可能となります。

インプラント治療を成功させるためには、治療後の徹底したメンテナンスと適切な生活習慣が不可欠です。これにより、インプラント周囲炎のリスクを最小限に抑え、長期間にわたり快適にインプラントを利用することができます。

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