銀歯の下の虫歯と詰め物の耐久性について

銀歯の下の虫歯と詰め物の耐久性について

患者さんからよく聞かれる言葉があります。
「銀歯のところは治したので、もう大丈夫です。」と。
これを聞くと、私は疑問に思ってしまいます。
理由を尋ねると、その患者さんは銀歯や金歯、プラスチック、セラミックなどで治療した歯は虫歯にならないと誤解していたようです。

口の中の歯は、一般的に1日に3回の食事で使用されます。
そのたびに60キロから100キロの力がかかり、毎日休むことなく働き続けます。
中には、歯ぎしりや食いしばりをする人もいます。
ざっくりと説明すると銀歯などの修復物は歯と接着剤で取り付けられていますが、口の中の過酷な環境では、銀歯の耐久年数は一般的に5年から7年です。
ある大学の研究によると、統計的にこのような結果が出ています。

誤解のないように言いますが、銀歯でも20年以上持つ人もいます。
しかし、金歯は20年以上問題ないのが普通です。
私は歯科医として、金歯の中が虫歯になっている人を見たことがありません。
もちろん、金歯を入れていても歯の根元が虫歯になることはあります。

大宮いしはた歯科診療風景

新規の患者さんで銀歯が外れて来院される方の約8割は、外れた部位が虫歯になっています。
これは銀歯の耐久年数によるもので、仕方のないことですが、二次カリエスといって歯科の再治療で一番多い原因です。
接着剤の部分が疲労し、その隙間から虫歯菌が侵入するのです。

また、保険のプラスチックにも同じことが言えます。
詰めたばかりのときは綺麗でも、プラスチックは色素や水分を吸収するため、5年から10年で黄ばみます。
また、プラスチックと歯の接着部分から二次カリエスになります。
仮に虫歯になっていなくても、多くの方は黄ばみが気になり、やり直しを希望されます。
セラミックは表面がつるつるしており、汚れが付きにくいため、二次カリエスになりにくいです。

結論として、物には耐久年数があり、その差や詰め物が外れたときに虫歯になるかどうかの差が保険治療と自費診療の違いです。
被せ物が白いから高いわけではありません。
再治療のリスクが低いため費用がかかるのです。
これは金属やプラスチック、セラミックの材質の違いであり、歯科医の技術の問題ではありません。
もちろん、保険診療でも見た目や機能の回復は十分可能ですが、より長持ちする治療や再治療を避けたい方は自費診療を選ぶべきです。

特に神経を取らずに済むように奥歯に金歯の詰め物をすることは非常におすすめです。
また、奥歯だから保険で前歯なら見えるからセラミックを選ぶという方が多いですが、奥歯は咀嚼の観点から前歯よりも重要です。
奥歯にこそお金をかけるべきだと考えています。

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