医療法人社団樹伸会

大宮いしはた歯科

根管治療は、歯の内部にある歯髄（しずい）と呼ばれる組織が感染または炎症を起こした場合に行われる治療法です。歯髄は歯の神経や血管が集まっている部分で、歯の内側の中心部に位置しています。

細菌に感染した歯髄を除去し、歯自体を残すことで、抜歯を避けることができます。

根管治療が必要となる虫歯の状態は、歯の内部に深刻な感染や炎症が進行した場合に見られます。虫歯は通常、歯の表面から始まり、エナメル質や象牙質に進行しますが、治療されずに悪化すると歯の内部の神経や血管にまで達し、感染や炎症を引き起こします。この段階では、歯の神経が死んでいる可能性が高く、炎症や感染が進むと歯根の先に膿が溜まることもあります。

このような状態になると、患者はしばしば歯の痛みや過敏症を感じます。特に、刺激や圧力が加わると強い痛みを伴うことがあり、歯茎の腫れや膿の排出、口臭といった症状も現れることがあります。

このような場合、通常の充填や被せ物では対処できず、根管治療が必要です。根管治療では、歯の内部にアクセスして感染や炎症を取り除き、根管を清掃し、適切な材料で充填して再感染を防ぎます。この治療により、歯を抜かずに保存し、患者の咬合機能を維持することができます。

精密根管治療は、従来の根管治療に比べて、より高度な技術と機器を用いて行われる治療法です。

精密根管治療の最大の特徴は、使用する機器と技術です。高倍率のマイクロスコープなどを駆使して、精密かつ徹底的な治療を行います。これにより、通常の根管治療では見逃される可能性のある微細な感染源や複雑な根管構造も確実に処理することができます。

精密根管治療は保険適応の根管治療より、治療の成功率が高まり、再治療のリスクが減少することが挙げられます。また、精密な治療が可能なため、治療後の歯の耐久性も向上します。特に、歯の保存が困難とされる場合でも、この方法を用いることで抜歯を避けられる可能性があります。

MTAセメントは、精密根管治療で使用される高性能な歯科用材料です。
歯髄を取り除いた後の空洞に入れる充てん剤です。

MTAは、その優れた生体適合性、密閉性、および硬化後の強度から、さまざまな歯科治療に広く利用されています。MTAは歯髄を刺激して、修復性のある二次象牙質の形成を促進するため、歯の自己修復能力を高める効果があります。
また、硬化後の強度が高く、長期間にわたって安定した性能を発揮し、微生物の侵入を防ぎます。アルカリ性で細菌の繁殖を抑制し、炎症や免疫反応が出るのを防ぐことができます。