厚生労働省が3年に1度行っている「患者調査」(2023年)では糖尿病の患者数は552万3,000人(男性317万7,000人、女性234万6,000人)と発表されています。
内訳としては、
・1型糖尿病 122,000人
・2型糖尿病 3,639,000人
・その他の糖尿病 1,761,000人
1型糖尿病は遺伝が多いと言われ、いわゆる生活習慣病と言われる2型糖尿病は年齢を重ねると罹患する確率も上がり、50代以上の方は特に気を付けなくてはなりません
ですが、なかなか生活習慣は変えるのは難しくストレスになってしまうのも良くないと思います。
歳をとると血糖値が上がりやすく、インスリンの働きが悪くなります。
逆を言えば、日本人の成人の80%が罹患をしている歯周病、その歯周病菌の代表的なP.g.菌などのグラム陰性菌はその細胞壁にリポ多糖(LPS)と呼ばれる毒素を持っています。
歯周病が進行すると歯周ポケットの炎症部位からLPSが血管の中に侵入し全身に回ってしまいます。結果として体内に侵入したLPSは免疫細胞を刺激し、炎症性サイトカインという物質(TNF-α、IL-1、IL-6)を大量に産生させるのです。
炎症性サイトカインはインスリンが作用する膵臓(すいぞう)や肝臓・筋肉・脂肪細胞のインスリンの受容体の働きを悪化させるのです。
インスリンが正常に分泌されていたとしても炎症性サイトカインがインスリンの働きを妨害する「インスリン抵抗性」を増大させるのです。
つまり、歯周病を治療し口腔内の炎症を抑えることは糖尿病の血糖コントロールを改善する上で非常に重要で、昨今は糖尿病学会や医科の分野で歯周病治療が健康に直結すると注目されているのです。
実際に、糖尿病の診断で測られるHbA1c(ヘモグロビンA1c)という血液中のブドウ糖の割合を示す数値ですが、糖尿病患者さんが歯周病治療を行い改善されたことでHbA1cの値が0.5%も改善されたことも発表されております。これはお薬1つ分という効果と同じです。驚きですよね。たった0.5%と思われるかもしれませんがお薬1つ分、医療費にも体にも大きな改善です。
当院、大宮いしはた歯科では糖尿病の患者さんにもしっかり対応しております。
血圧や血糖値、飲んでいるお薬は歯科の治療を行う上でも教えておいてほしい重要な患者情報です。
適切で最善の治療を行うためにも、医科・歯科・患者さまと連携をしながら治療を行ってまいりますので、お身体やご持病のある方は必ずお教え下さいね。
初めてご来院された方には問診票への記載もお願いしております。
何かご不明なことがあればお気軽に歯科医師・スタッフにお申し出下さい。
SHUNJI.MATSUDA