医療法人社団樹伸会

大宮いしはた歯科

多くの患者さんが、医科と同様に歯科でも保険診療で十分な治療が受けられると考えていますが、これは誤解です。歯科治療において、保険診療では使用できる材料が制約されており、痛みを取り除く最低限の治療しかできません。そのため、噛む機能を最低限回復させることはできますが、長期間にわたり良好な状態を維持することは難しいのです。保険診療は、生活保護の方が受けられる最低限度の治療を提供するものです。保険治療では、快適性や審美性、健康面、そして良好な状態を長持ちさせることは考慮されていません。ちなみに、海外では歯科治療は基本的に自費診療です。簡単に言えば、保険治療＝制限された治療、自費診療＝世界標準の治療と考えてください。

例えば、入れ歯に関しては、保険診療では使用できる材料が限られているため、自費診療に比べて違和感が少なく、長持ちし、よく噛めるものを作ることはできません。

また、詰め物や被せ物に関しても、戦後の材料難の時代から約75年間、パラジウムという金属が使われ続けているという状況があります。これだけ時代が進んでいるのに、詰め物や被せ物の材料が変わらないのは異常だと思いませんか？実際、パラジウム合金や銀合金などの金属が歯科材料として使用されているのは、日本だけです。例えば、ドイツなどの医療先進国では、パラジウム合金が体に与える悪影響を考慮し、すでに使用されていません。

改めてお伝えしたいのは、保険診療は最低限の機能を回復させる治療であり、口の健康を良い状態で長持ちさせるものではないということです。この問題を解決するのが自費診療です。

日本の歯科治療の実に7割がやり直し治療であることは、保険診療が主流であることと深い因果関係があります。

患者さんにはぜひ、自分の歯の価値について考えていただきたいです。通常、親知らずを除くと口の中には28本の歯があります。もしこれがインプラントだとしたら、1本40万円として合計1120万円以上の価値があります。実際には、歯はインプラントよりも優れているため、その価値はさらに高いと考えられます。私は、自分の歯には100万円以上の価値があると考えています。歯を失った患者さんには、その事実と向き合い、歯の価値を理解していただきたいのです。たまに「歯に10万円もかけられない」と言われることがありますが、私は驚きを禁じ得ません。

食べることは人間の基本的な欲求の一つであり、健康に生きるためにはしっかりと噛むことが必要です。歯に価値を見出さない方は、自身の健康を保つことに関心がないのかもしれません。

定期検診の重要性

健康な状態を維持するためには、定期的な歯科検診が必要です。多くの方が人間ドックを受けて全身の健康を確認するように、歯科検診も虫歯や歯周病の有無を確認し、問題があれば早期に対処するために受けるべきです。当院では、患者さんが自身の歯を大切にし、口の中の健康を重視する方に来院していただきたいと願っています。

私たちは、歯科医療の仕事に誇りを持ち、真剣に取り組んでおります。患者さんには私たちの思いを理解し、歯の価値を大切に考えていただけることを心から望んでいます。