大宮いしはた歯科の松田駿司です。
歯磨き粉についてですが、研磨剤が子供の歯に悪影響を及ぼすのではないかと心配される方がいらっしゃいます。
海外では、研磨剤入りの歯磨き粉が子供の歯に悪影響を与えることから、使用を禁止している地域もあります。この記事では、歯磨き粉の研磨剤の特性や子供の歯への影響、研磨剤と虫歯の関係性について詳しく説明します。安心して歯磨きをするために、ぜひご覧ください。

歯磨き粉に含まれる「研磨剤」は、歯のエナメル質に付着した汚れや着色を取り除く働きがあります。一般的な歯磨き粉によく使われる成分ですが、「清掃剤」として販売されているものもあります。白くて美しい歯には憧れを持ちますが、「研磨剤」という言葉に対して、「歯の表面が削れてしまうのでは？」と不安に思うこともあるでしょう。ここでは、研磨剤入りの歯磨き粉が歯の表面に与える影響について考察します。

1-1. 研磨剤とは？

研磨剤は、歯のエナメル質に付着した汚れや着色を落とすために使用される成分です。歯磨き粉のパッケージには、「研磨剤」または「清掃剤」と表示されています。主な成分としては、「歯磨用リン酸水素ナトリウム」「炭酸カルシウム」「重層炭酸カルシウム」などが含まれています。

1-2. 研磨剤のメリット・デメリット

研磨剤のメリットは、歯ブラシだけでは落としきれない汚れを取り除き、歯の表面の着色汚れを削り取ることで歯が白く見えることです。ステインやタバコのヤニを取る効果もあります。しかし、デメリットとして、研磨剤が歯のエナメル質を削ってしまうため、歯が着色しやすくなり、虫歯や知覚過敏の原因となる可能性があります。

1-3. 研磨剤が子供の歯に与える影響

子供の歯は非常にデリケートです。研磨剤が入った歯磨き粉でブラッシングすると、歯の表面や歯茎を傷つける恐れがあります。また、口をゆすぐことができないと、研磨剤を飲み込んでしまう可能性もあります。適切な量を使用し、歯磨き粉の正しい使い方を教えることが重要です。

研磨剤入りの歯磨き粉に抵抗がある方でも安心して使える「研磨剤なしの歯磨き粉」が販売されています。歯を傷つけるリスクがなく、使い心地も良いため、歯茎や口内に炎症がある場合でも使用できます。以下に、おすすめの研磨剤なしの歯磨き粉を紹介します。

2-1. 汚れを「削って落とす」ではなく「吸着して落とす」歯磨き粉

薬用ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉は、汚れを吸着して落とし、初期段階の虫歯を再石灰化する効果があります。また、歯の表面の細かい傷を修復し、歯の本来の輝きや白さを取り戻します。

2-2. 研磨剤と発泡剤なしのジェルタイプ歯磨き粉

研磨剤と発泡剤が配合されていないジェルタイプの歯磨き粉は、通常の歯磨き粉と同じように使用でき、フッ素コート剤としても利用できます。泡立ちが苦手な人におすすめです。

2-3. 安全性の高い歯磨き粉

合成界面活性剤やサッカリン、防腐剤などを使用せず、安全性の高い成分を使用した歯磨き粉があります。泡立ちが少なく、歯1本1本をしっかり磨けるため、歯磨き直後に歯磨き粉特有の味が残らないことも特徴です。

2-4. 歯周病予防もしたい人向けの歯磨き粉

研磨剤未配合で、歯槽膿漏を防ぐ役割がある天然植物成分を配合した歯磨き粉があります。甘草由来成分のβ-グリチルレチン酸が歯茎の炎症を抑え、ヒノキチオールの殺菌作用で口内の細菌繁殖を防ぎます。

子供の歯を守るために「研磨剤なしの歯磨き粉」を選ぶ人が増えています。以下に、おすすめの子供用研磨剤なしの歯磨き粉を紹介します。

3-1. 研磨剤なし

研磨剤なしの歯磨き粉は、歯が生え始めた頃から使用でき、幅広い年齢層に対応しています。フレーバーも子供の年齢に合わせて変えることができ、虫歯予防に最適です。

3-2. 低研磨

低研磨剤入りでフッ素とキシリトールを配合した歯磨き粉もあります。色付けされており、子供が喜ぶ香味のフレーバーも複数用意されています。

3-3. ハイドロキシアパタイト配合

ハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉は、歯科医院で限定販売されていることが多く、エナメル質を修復し、丈夫な歯に戻します。

研磨剤入りの歯磨き粉は歯を白くする一方で、歯の表面を傷つける可能性があります。研磨剤なしの歯磨き粉を使い、丁寧にブラッシングすることで、口腔内の健康を保つことができます。デリケートな子供の歯にも安心です。黄ばみや汚れが気になる場合は、研磨剤入りの歯磨き粉や歯科医院でのホワイトニングを検討してみてください。